第31回「スケール・3〜ドミナントに使えるスケール」

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第31回「スケール・3」 ――ドミナントに使えるスケール


 


前回は、みやこ先生がスケールから生まれるいろいろなコードを教えてくれました!

今日は、特にドミナントのときに使えるいろいろなスケールを勉強します! 








まずはいつものようにショットを3杯いっていただいて。




太整せんせいの駆けつけ三杯っぷりもお素敵ですね。





久しぶりのベロベロはどうですか、という問いに「ぐっときました(吐き気的な意味で)」だそうです。










皆さん、もう行かれましたか? 特撮博物館!
話題の短編『巨神兵東京に現わる』の音楽監督は我らの太整先生ですよー!

 
店長がお祝いの気持ちを込めて、一生懸命描いた巨神兵です!




それに一瞥もくれることなく一瞬で消し去る太整先生です! 鬼教師!







CHAPTER 1  跳馬でわかる「ドミナント


まずは前回の復習をささっと。





今日は、この2番目の「セブンス」について勉強しますよー!
セブンス、ってどんなつくりだったか覚えていますか? 
コードの仕組みを思い出すときはこの表が便利ですよっ

 
つまり、セブンスを構成しているポイントは、
長3度と短7度
この音が入っていると、なんだか不安定な響きに聞こえます。

だからドミナントは不安定な状態というわけでした。



図にするとこういうイメージ


SD(助走) ――→ D(ジャンプ) ――→ T(着地)  

ってな感じにイメージするとわかりやすいです。
(パンツぬぐ→出す→パンツはいた)でもいいんですよ。 


跳び箱や跳馬をイメージしてみてください。
助走をつける時や着地後にはあまり差はありませんが、
ジャンプ、つまり空中にいる間にはいろいろな技ができますよね。
競技でもこの「ジャンプ」の仕方が採点を左右します。


ドミナントはいわばこの「ジャンプ」している間のようなもの。
不安定だけれども、その分、自由度が高い というわけ! 



み「え? ちょうわってなんすか?」 跳馬ですよ、みやこ先生。 





ただし「着地」(トニック)がキマらないと減点ですよ。
トニックをしっかり決めれば、自由でパフォーマンス度の高いドミナントセブンスが活きます。


まとめ・1






CHAPTER 2

簡単! オルタードスケールの覚え方


前回、ドミナントに使えるスケールの代表として勉強したのが「オルタードスケール」でした。

 
変化記号がいっぱい! こんなの見ただけでやんなっちゃう! 




そんな人には ハイ、ドン! 

Cオルタード のときは、D♭メロディックマイナー の7番目からスタート。

そもそもメロディックマイナーが覚えにくいデス!(ёзё)





さらに倍でドン! 

Cオルタード = BメジャースケールのB♯ 

これなら覚えられそう! 




他にも、「半全半全全全半」という構成で覚えるとか、それぞれの人に向いた方法があるかも! 
太整せんせいは階段のイメージで把握してるんだって。

| ̄|_| ̄ ̄ ̄ 太整せんせいの脳内オルタードはこんなかんじ。


オルタードスケールの実演は前半動画の28:00くらいから

C7だから、FM7に解決するとよいです。


オルタードスケールをドミナントに使ったときの空中技の感じは
〈キャット空中三回転〉だそう。どたばたばたたたって感じ? 
でも「いかにもジャズ」な感じも出ます。
テンションノートがいっぱい入ってるからですね。


太整せんせいがこのフレーズをなかなか思い出せずにいたとき、
UstreamのTLには「キャット空中三回転!」というtweetが溢れました。
(ベロベロ生徒の皆さん、教えてくれてありがとう! でも年がバレますよ!!)


とってんぱーの にゃん ぱらりっ







CHAPTER 3  その他のドミナント用スケール  



さてさて、ドミナントの雰囲気がなんとなくわかったところで、
その他の「空中技」、4つのスケールを勉強します! 



1.コンビネーション オブ ディミニッシュド スケール 
  Combination of Diminished Scale


名前からしてムズカしそう(´△`)
冷静に、まずはディミニッシュコードの特徴を思い出してみよう。



 
そうそう。ポイントは“短3度の積み重ね”でした。
てことは、意味を考えると「短3度の積み重ねの組み合わせ」みたいなことですね。

構成音は Root, b9, #9, 3, #11, 5, 13, b7  

ほんとだ、dimコードの構成音が2つ組み合わさっています。
C7の場合は、Cdim7(C・E♭・G・A) と
       D♭dim7(D♭・E・G・B♭) の組み合わせ。

なので、スケールの中でもとても珍しい8音の構成になっています。
〈半全半全半全半全〉でもあるので、思ったほど難しくはなさそう。

実演は前半動画の38分頃から

コンディミ(長いから現場ではこんなふうに略します)は
MISIAの大ヒット曲♪Everything のアレンジで冨田恵一さんが使っています。
このアレンジは本当にすごいらしいので、また別の回でじっくり分析です! ご期待あれ!


全く気づかせず、演奏してみて驚愕を与える冨田さんの名アレンジに、盛り上げる先生ズ。

結婚パーティーとかで、ミュージシャンに初見でやってもらってはいけません。魔のEverything。


8音もあるので、適当に弾いても2/3の確立でコンディミにあたります!
めちゃくちゃに演奏しちゃったときは、コンディミだって言い張ろう!




でも一応ちゃんと覚えておこうね。
 








2.ハーモニック マイナー パーフェクト フィフス ビロー 
Harmonic Minor Perfect 5th Below  




なにそれもう必殺技の名前にしか聞こえない ヽ(`Д´)ノ
 ムーンプリズムパワー メーイクアーップ! かーらーのー
ハーモニックマイナー パーフェクトフィフス ビロー!!    みたいな 


でも落ち着いて、まずは冷静に意味を考えるのよ!

Harmonic Minor Perfect 5th Below 
直訳。 完全5度下のハーモニックマイナー
あれっ なーんだ カンタンそうじゃん! 



名前に惑わされてはいけません。
その名の通り、「完全5度下のハーモニックマイナーを弾け」ということ。


完全5度下、とはつまり、解決先(着地点)のことです。
その解決先を先取りして、ちょっと匂わせておくという技。
CHmp5↓(略してこんなふうに記譜します)=Fハーモニックマイナー というわけ。 



モーダルな発想では、
ミクソリディアン♭2♭6 
と考えることもできます。構成音は全く同じで発想だちがうだけ。






演奏は後半の00:10くらいから。
ハーモニックマイナーだから、メキシコの悲し気な音楽っぽいかんじ(ざっくりしすぎ?)








3.リディアン フラット セブンス 
Lydian ♭7th  


これはもうおわかりですね。さくっといこう。




これまでの暗い感じのスケールに比べると、ちょっとキラキラ感があります。
ブルース感は持ち合わせていない、自由人。
高跳びだったら、高く高く、バーなんか何にも見ないでジャンプしちゃう人。
(でも着地は一応背中からという微かに残る常識感)








3. ホールトーン スケール 
Whole tone Scale  




これはなんと全音のみで構成されたスケール!
野球だったらどんな球種でもとにかくフルスイングしちゃうバッター!!
太整せんせい曰く「衝動的・バカっぽい」イメージ。

UST視聴のベロベロ生徒さんからは 
「アトムのオープニング曲のイントロ」
NHKの理科の実験番組っぽい」
などの感想が。さらには
「ホールトーン速弾きすれば即モンク」
という俳句まで!(つまり使い手の力量によるってことですかね)




さて、ここまで出て来たスケールの中で、
適用されなかった音は12音のうちBナチュラルのみ!
つまり、ドミナントの時は何弾いたって無理に理屈をつけられるってことです。

でも、ただめちゃくちゃ弾いてもかっこいいジャンプにはなりません。
かっこいいサウンドにするには何かしらの哲学が必要ですよ。



ってことで今日のまとめ! 







次回は8月1日(水)20:00から

テーマはペンタトニック




まずはいろんなペンタトニックの演奏を聴いてみようじゃないか、ということで


 8月1日「ペンタイチ武道会」開催決定!!!!!!!


さまざまな楽器の演奏者の方に、ペンタトニックオンリーで演奏していただき、
優勝者を決定します(何がどうなったら優勝なの!)


腕に覚えアリのペンタ使いのミュージシャンの方は、
楽器を持ってぜひお越しください!

優勝者には太整せんせいから賞品もあるそうです!  



ペンタトニックってなんやねんという初心者ベロベロ生徒の皆さんは、
わたしと一緒に観戦しましょうね! お待ちしております!




ちょっとだけ予習 



ペンタトニックスケール って、めずらしい5音しかないスケールだそう。
意味を考えてみると、5音のトニック(からなる)スケール)ってかんじ? 

♪は〜るばる来たぜ 函館〜〜〜♪
にも聞こえれば、
超かっこいいロックにも聞こえる。演奏者の力量が問われるスケールです。
うーん、不思議。楽しみですね。
























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