第20回「祝一周年!地理+リズム=地理ズム」

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ベロベロ音楽理論 一周年!!! 第20回 


 「地理+リズム=地理ズム」

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今回は、一周年スペシャル!!
若手ナンバーワン・ジャズドラマーにして、随一の地理マニア、
服部マサツグ氏をスペシャルゲストにお迎えしての
リズム&地理の講義をお送りします!! 



無論、ゲストといえど容赦なく吞んでいただきます。
恒例のテキーラ×3タイム。



ゲスト手ずからテキーラをお酌です。



意外とノリノリなかんじ? の服部先生 

では今日は3人で、いってみましょー♪









4ビート  ・  8ビート  ・  16ビート 





ドラムを叩いたことのないあなたも、リズムってなんのこっちゃなわたしでも、
フォービート・エイトビートといえば
一度は耳にしたことあるフレーズですよね。
とくに8ビートは、な〜んとなく、ツツタタ!ツツタタ!みたいな雰囲気だけ、わかるような気がします。

でもそれが一体何を意味するのかは、サッパリ。
では見てみましょう。





とりあえず、おおざっぱな意味はこんなかんじ



  4ビート ……  4分音符が主体
  8ビート ……  8分音符が主体
16ビート …… 16分音符が主体


でも主体って、一体なに?? 

モノの本には、たとえば「4分音符を基本単位とする」なんて書いてあるそうですが、
主体とか、基本単位とか、イマイチ、ぴんときませんよね。

ビートというのは、とっても主観的で概念的なのです。


 4、8、16ビートと分けられているのは、分かりやすくするためであって、それ自体が目的ということではありません。

色々なビートを使うことによって表現は豊かになります。
以下はそれぞれのビートが代表する曲の種類です。


4ビート…スウィング
8ビート…ロック
16ビート…ファンク


4、8、16ビートを置くことが、 音楽を作る上でのガイド的役割を持っています。




というわけで次いってみよー!









日本人は変拍子民族? 




さて、ビートいうものは、日本語・英語・アラビア語……のように、
音楽におけるひとつの言語のようなものと例えることができます。


各国や民族で、独特のリズムってありますよね。
アフリカン・ビートだったり、ラテン系のグルーブがあったり……。


インドやイスラエルなど世界の民族音楽変拍子が基本。
実は世界を見渡すと、4拍子の方が少ないんだそうです。




日本に古来からあった歌は、多くが、七・五調や三・三・七拍子など
奇数のリズムを持っています。俳句や短歌はいまでも残っていますし、
応援のときのかけ声なんかも、奇数の拍子をとることがよくありますよね。


明治以降、4ビート(4拍)が輸入された後は、このような日本独特のリズムは、三や七の後にひとつ休符を置くことでリズムを4拍に近づけて帳尻を合わすというのが当たり前になってしまいました。




リズムの話で大もり上がりの太整せんせいと、ハットリ先生。そして飽きてるみやこ先生。



でももしかしたら、江戸時代、もっと遡って平安時代の頃には、
五・七・五などのリズム遊びは休符が入っておらず
かなりの変拍子に近いものだったのでは??? 


日本人のDNAの中にはこの五・七・五という変拍子が体内リズムとしてあるのかも。


もしそのリズムが残ったまま、音楽が生き続けていたら、
とっても変わったリズムのポップスが生まれていたかもしれません!!!!! 








あれ? みやこ先生は……? 






みやこ先生も飽きていますが、わたしも半分くらいしかわかっていません♡





しかしそこで、みやこ先生がやおら立ち上がった!!!

リズムのことはわかんないですけど、
「あたし大和撫子の心は理解できるんです!!!!!!!!」



ちょっと何言ってるのかわかりませんが、
というわけで、 ハットリ先生×みやこ先生の大和魂セッション です





みやこ先生、ベロベロで初披露のフリージャズをプレイします。





そして唐突に 
地理の時間


問1、本州中央部、中部地方から関東地方にかけての地域を縦断位置する地溝帯はなんというでしょう。



答は 中央構造線

かぶし気味で即答した上、次の問題の答まで先に答えちゃう地理ドラマー。
フォッサマグナはー、いといがわからはじまってー、…………」




ちなみにハットリ先生によると東西に横断している断層もあるそうです。(しらんがな)






大好きな地理を語れて気分が良いので

自らテキーラを吞み始めるハットリ先生。(4ショット目)







休憩明け、さらにテキーラをキメるお三方です。



ハットリ先生だけは嬉しそう。








4分の3 と 8分の6 



4分の3と8分の6…… 
どちらも良く見る拍子ですが、通分すると、おんなじ4分の3です。

何が違うの? 教えてプリーズハットリ先生!!



ジャン!

たとえば、ハットリ先生は、×のところで
フットペダルを踏むそうです。



(フットペダルを踏むと、ハイハット(シンバル)が合わさってシャンってなります。)



そうすると、
4分の3拍子は、「ン・タ・タ・ン・タ・タ」
8分の6拍子は、「タタタ・タタタ・タタタ・タタタ」
というふうに聞えます。



4分の3拍子は、3拍子感が強いですね。ワルツ!って感じがします。
8分の6拍子は、それに比べると2拍子っぽく聞こえるし、音楽的な自由度が高いかんじ。




実演を聞くとすごーーくわかりやすいです。全然違う!! 

ハットリ先生がNYのジャズクラブで、三河弁のアメリカンに教え込まれた技術。ごらんあれ。



FOOTPRINTS を2パターンの拍子で演奏してもらってます。
超おもしろいです。違いがよくわかる。



さらに気分が良くなり、どんどん吞むハットリ先生。









ヘミオラ 




ヘミオラとは、クラシックでよく使われるもので、
3拍子の2小節を2拍子の3小節のように組み替えて演奏することです。
太整せんせい率いるthe cubesでもよく使われています。

perfumeの「ポリリズム」はこちらに近いそうです。






そして唐突に 
地理の時間・2限目




問1、中緯度地域にある代表的な砂漠はなんですか。





答。タクラマカン砂漠  


答は知ってるんだけどアルコールが回りはじめちゃった

センター試験、地理満点のハットリ先生。




難問の数々を当て、「ドヤっ」

演奏中もハットリ先生のこんなドヤ顔見たことない。






次はいよいよポリリズム!!!!




ポリリズム 






出たー! キター! ポリリズム!!!



そしてまた吞んでる!!!!!!





ポリリズムとは、民族音楽に代表されるような、拍の合っていないリズムを

複数同時に演奏することで産まれる独特の音楽のことをいいます。



ポリ=「複数の」 という意味です。 たくさんのリズム。
二種類の声部を使う、ということ。


たとえば、一小節を 100とすると、
4で割ると 25ずつ 
5で割ると 20ずつ
2で割ると 50ずつ  
というふうにいろんなパターンで割ることができますよね。

そんなふうに、小節の中に、違う割り方のリズムが混在しているのがポリリズムです。(たぶん)


ベースがA拍子、ドラムがB拍子、みたいにパートでわけます。
DCPRGの曲に多いですね!! かっこいいですね!!



よくわからないという方は(わたしです)動画でぜひ聞き比べを。
むっちゃくちゃわかりやすいです。

太整先生もビックリの、ハットリ先生のドラムスキル。
さすが若手No.1ジャズドラマーの異名は伊達じゃない。





酔っぱらってるだけじゃない!


4拍と5拍、5拍と7拍など、
いろんなポリリズムを実演してくれてます!!!!!
いや〜本当にスゴイ。 けっこう貴重映像かも。








褒められすぎるとちょっと照れる





現代でいう「ポリリズム」というのは、
指針となるリズム(下地)からの脱却を目的としているようです。



西洋音楽との対比、説明の為にポリリズムという言葉が使われているだけで、
民族音楽的な表現を指すよりは
テクノ的4拍の曲に2・5拍を乗せてみる(perfumeの「ポリリズム」はこれ)
などの、遊びや技術の要素を指しています。



リズムに対する共通認識が高まったことにより、そういった曲が増えてきています。





この辺りの話は、リズム好きにはたまらないハズ。











リズムの 「なまり」 


最後はHIPHOPのお話です。
もちろん全く理論体系化されてない部分。
こんなこと学べるのはベロベロ音楽理論だけ!








リズムが音楽の「言葉」だとしたら、
リズムをずらして「なまり」を持たせることで、変ったアクセントが生まれます。


シャッフルと8ビートの境目くらいのかんじ。



参考曲

太整せんせい作曲。2のDVDも発売なうだよ!!



たとえば
ハイハットが8ビートを刻んで、バスドラがシャッフル

なんでもできるハットリ先生。




生まれながら体に滲み込んでいるような、リズム感。
「なまり」としか表現できないような、リズムです。




ひと昔前までは、正確な機械的リズムを下地に曲を構築していくものが多かったのですが、
今は下地となるリズムから意図的になまらせる(リズムをずらす)ことで、
ゆったりとしたビートを出したり、ダンサブルな曲調にできるということがわかってきました。


これまでは自然発生的にそれぞれの気持ちの良いリズムが生まれてきていたのが、
リズムの「なまり」のシステムがわかってきたことで、
意識的にそれを利用して作られる曲が、とても増えました。








日本人のリズム 



それぞれの民族がいろんな「なまり」のあるリズムを持っているとしたら、
日本人オリジンの「なまり」って、なんなんでしょう? 
七五調? 三三七拍子? 



今ある音楽理論のメソッドは大体、欧米で体系化されたものです。


けれど、今では一般的なアフリカン・ビートに対するアプローチの仕方は、
欧米人よりも日本人の方がうまかったりします。


欧米のメソッドに追いつくことも大事。
でも、日本人としてのアイデンティティーを求めることも在り方のひとつかもしれません。


ハットリ先生は、日本人のリズムを追求しているドラマーの一人です。

今後の先生のご活躍にご期待ください!!!!





むちゃくちゃいい話してるのに、

「global」がどうしても書けないみやこ先生。







今回は、一周年にふさわしい、スゴイ回でした。
ハットリ先生、ありがとう! そして ありがとう!!






そして1年間付き合ってくださった全国のベロベロ生徒の皆さんもありがとうございます。

ベロベロ音楽理論は、まだ音楽の扉を開けたばかり。
引き続き、よろしくお願いします☆☆☆





みやこ先生は今回は「マジあたし超自分だいじょうぶなんで」っていっぱい言ってました!







次回は7月4日 です!!! 
お楽しみに!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!










みやこ先生は……、





夏に向けて




絶賛ダイエット中です!!!!!


 












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